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遺品整理で仏壇はどうするのが正しいのか

遺品整理の現場でたびたび聞かれるのが、「仏壇って皆さんどうされていますか?」という質問です。

 

親御さんが熱心な仏教徒であっても、子供は宗教に無関心、というご家庭は非常に多いです。そのため親が亡くなったあとに仏壇をどうすればいいのかわからないということなんですね。

 

また、遺品整理では下の写真のように生前のままの状態から整理を始めないといけないため、仏壇の処遇まで頭がまわらないという方も多いのです。

 

 

そこでここでは、遺品整理のあとに仏壇をどうすればよいのか、住宅事情により継承が難しい場合はどうするとよいのかについて解説していきます。選択肢の一つとして参考にしてください。

 

継承できる人を決める

 

多くの場合、仏壇は「祭祀財産承継者(さいしざいさんけいしょうしゃ)」が継承することになります。祭祀財産とは金銭的な財産とは区別されているもので、「家系図」「仏具、神具」「お墓」など金銭的価値はないけど、代々大切にされてきたものとお考えください。これらを引き継ぐ人のことを祭祀財産承継者というわけです。

 

ほとんどの場合これまでの慣習に従い財産を相続する人が祭祀財産承継者となっていました。したがって、何も問題がないようでしたら祭祀財産承継者を決め、その方が仏壇を継承すると間違いありません。慣習では、故人の伴侶や長男、長女が選ばれることが多いです。

 

大きな仏壇が置けないのだけど?

しかし、近年の住宅事情により、仏壇を置きたくても置く場所がないという方が増えてきています。実家は大きな仏間があったけど、今はマンション住まいなので仏壇を置くスペースがないということです。

 

↓こちらは高さ160cm横幅70cmの仏壇です。仏壇の中では比較的ポピュラーな大きさではありますが、この仏壇をマンションやアパートに持っていくとなると大変です。これだけのスペースをすぐに用意できるお宅は少ないですよね。

 

 

この場合の対処法は2つあります。

 

コンパクトな仏壇に買い換える

大きな仏壇が置けないのであれば、置ける大きさの仏壇に買い換えればよいのです。例えば、以下のような箪笥の上に置けるくらいの仏壇にすることで、スペースの悩みはなくなります。

 

ミニ仏壇

画像引用:楽天市場

 

見た目もスッキリしていて、洋風の住宅やマンションに置く場合でも違和感が少ないです。更に小さな仏壇や、デザインがおしゃれな仏壇もあり、このようなミニ仏壇は現代の住宅事情にあった品であると言えます。

 

仏壇だけではなく、神棚もコンパクトなものがあります。

 

 

神棚を継承する方もいらっしゃると思いますので、参考にしていただけると幸いです。

 

仏壇を処分し手元供養に切り替える

仏壇そのものを置きたくないという方は、礼拝する対象物を変える方法もあります。例えば弊社のお客様の中には、故人が大切にしていた水晶を心の拠り所としている方がいらっしゃいました。(↓実際の水晶)

 

 

このように生きている人の負担にならないように供養することを「手元供養」といいます。本来の意味合いとは少し異なりますが、礼拝する対象が変わろうとも、故人やご先祖様を身近に感じ供養していく気持ちが大切なのです。

 

仏壇の処分で気をつけたいこと

では継承できない大きな仏壇はどのように処分するのか解説していきましょう。端的に言いますと、あなたが祭祀財産承継者であればあなたの判断で処分することが可能です。

 

ただし、仏壇の処分はデリケートな問題です。たとえあなたが良いと思っても、親族の中には「仏壇を処分するなんてもってのほか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。後々トラブルにならないためにも、親族とよく話し合った上で処分の決定を行うようにしてください。

 

仏壇の供養方法

すべての問題がなくなりましたらいよいよ処分を進めていきます。最初に行いたいのが仏壇の供養です。この供養を「魂抜き(たましいぬき」「お性根抜き(おしょうねぬき)」といいます(地域や宗派により言い回しが違います)。

 

これはご先祖様の魂が宿るとされる位牌や仏壇から魂を抜き、礼拝の対象からただの物に戻す法要であると考えてください。

 

絶対に行わなければいけない供養ではありませんが、特別な事情がない限り行っておくことをおすすめします。これについては以下のリンクをご覧ください。

 

仏壇処分の際に魂抜きは必要?お布施相場は?

 

供養の方法は一般的には2つの方法があります。1つ目が菩提寺に相談し、そこの住職様に供養をお願いする方法です。もっともおすすめの方法であり、まずは菩提に相談することからはじめると良いでしょう。基本的には住職様に自宅まで来ていただき魂抜きを行っていただきます。

 

2つ目が業者にすべて任せる方法です。お寺様との付き合いが浅い方や、遠方に住んでおり供養の手配ができない方にとっては便利なサービスです。仏壇の運び出しから供養・処分まで一括で任せられるので、時間がない方は利用してみると良いでしょう。

 

仏壇供養整理アークサービス

 

遺品も供養しないとダメ?

遺品を処分する際に供養をしたほうがいいのか気になる方も多いようです。結論から言えば遺品の供養は必要ありません。そもそもこの場合の供養というのは先述した魂抜きです。位牌や仏壇は新しく安置する際に「魂入れ」の法要を行い、ご先祖様の魂を入れることになります。この魂を抜き、ただのものに戻すことを総称して供養という言葉を使っているわけです。従って魂を入れていない遺品に供養(魂抜き)は必要ないのです。とはいえ、そのまま処分するのは偲びないという気持ちもよくわかります。その場合、仏壇の供養のときに一緒に供養してもらうと良いかと思います。業者にお願いするときは、仏壇と一緒にお願いすれば快く引き受けてもらえます。あなたの気持ちが一番軽くなる方法をお選びください。

 

ちなみにですが、仏壇の処分に対して住職様はどう思われているか気になりませんか? これについては事情により小さな仏壇に買い換える、手元供養に切り替えると言った理由があるのなら、全く問題ないと考える住職様が多いです。現代の住宅事情もよくわかっておられますし、とても柔軟に対応してくださいます。心配は不要ですので、まずは相談してみると良いでしょう。

 

仏壇の処分は地域のルールに従う

業者に任せる場合は気にしなくていいですが、ご自身で処分するときはお住いの地域のルールを今一度確認する必要があります。魂抜きを行った仏壇はただの家具です。分類上粗大ゴミとなりますので、地域ごとに決められたルールにしたがって処分しないといけません。

 

例えば、弊社の拠点である福岡市だと粗大ゴミ回収サービスは週に2回、回収してもらえるので処分しやすい地域だと思います。しかし、北九州市のように月に1回しか回収に回ってこない地域もありますので、事前の確認が重要になってきます。

 

地域によっては仏壇や位牌など、供養を必要とする廃棄物を回収していない地域もあります。弊社の対応地域では、下関市や佐賀市がこれに該当します。こういった地域では弊社のような供養処分業者にお願いするか、購入した仏具店にお願いするしか方法がないのです。

 

仏壇自体、特殊な粗大ゴミであることを理解した上で処分を進めていくようにしてください。

 

まとめ

遺品整理を行う際に仏壇の処遇にお困りの方は珍しくありません。仏壇を置くスペースがある方はそのまま継承していただくと良いですが、住宅事情によりそうもいかない方は「コンパクトな仏壇に買い換える」「手元供養に切り替える」といった手段を選ぶ方が増えてきました。

 

もともとの仏壇を処分する際には「魂抜き」を行った上で、地域のルールに従って処分することが重要になってきます。これまでお世話になった仏壇に感謝の意を込めて、供養と処分を行ってください。

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