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遺品整理で部屋のお祓いはやるべきか

そう多くはありませんが、遺品整理において「部屋はお祓いをしたほうが良いのか」聞かれることがあります。ご遺族様の気持ちとしては、身内とはいえ「死」に対する恐怖心からこのような質問をされるのだと推測されます。この疑問に対しては、お祓いの意味と実例を交えて解説していきたいと思います。

 

お祓いとは

 

まずはお祓いの意味をご理解ください。お祓いというのは神道の考え方であり、仏教にはお祓いという考え方はありません。

 

お祓いを簡単に言うと、悪いものを取り除く行為です。お祓いをすることで、穢れ(けがれ)や災いなど、あなたの心身にマイナスに働くものを取り除き、本来の状態に戻す事ができるとされています。

 

 

遺品整理で部屋のお祓いは必要か?

では上記のことを理解していただいた上で結論を言いますと、基本的にお祓いの必要はありません。

 

私個人の意見で恐縮ですが、部屋をお祓いするというのは、部屋に悪いものがあることが前提の話であると感じます。そのため、天寿を全うされた方の遺品整理においてはお祓いは不要だと考えています。故人も遺族も十分に納得した上でのお別れの場合、そもそも悪いものがありませんので整理とお掃除をしてあげれば故人も喜んでくれるはずです。

 

裏を返せば、殺人があった部屋や自殺があった事故物件においてはお祓いの必要があると思います。これは幽霊がついている、いないの話ではなく、残された遺族や物件オーナーや近隣住人の気持ちを整えることが大切だからです。

 

  • 遺族の方なら、事故により身内を失った悲しい気持ちを少しでも和らげるために行う。
  • 物件のオーナーなら、近隣住民への配慮として行う。次に借りてくれる人のために行う。

 

など、マイナスの気持ちを鎮め、前向きになるための儀式を行うことが重要なのです。人間は辛いことや悲しいことがあると気持ちが弱くなります。神道ではこれを「気が枯れる」→「気枯れ」→「穢れ」と呼びます。この穢れを取り除くためにもお祓いをしておくと良いでしょう。

 

こういったことを「気休め」と考える方も多いようですが、お祓いをすることで少しでも気が休まるなら、「気休め」も大いに結構なことだと思います。

 

お祓いと除霊は違う

お祓いを除霊と混同している方がいらっしゃいますが、実は違います。この場合の霊というのは悪霊のことを指しますよね。「悪いことが立て続くのは悪い霊に取り憑かれているからだ。だからお祓いをしてもらおう」と考えるわけですよね。ただ実際にはお祓いは除霊しているのではなく、穢れや災いを取り除くものですので、悪霊を追い払っているわけではありません。そもそも神道において霊魂という概念は明確にはされておりませんので、除霊をお願いされた場合にはお祓いや厄払いなどで対応されているようです。

 

その他、実際の事例として、「家を相続したが親と折り合いが悪かったのでお祓いしたい」という方もいらっしゃいました。理由としては少々悲しい気持ちになりましたが、ご本人様がお祓いをすることで前向きになるのであれば、理由がどうであれ良い方法なのだと思います。

 

いずれにしても、お祓いをするかしないかはあなたが決めて大丈夫です。一般的な遺品整理であれば、以下で紹介するご供養を行っていただくと良いでしょう。

 

遺品整理では供養をするのが一般的

以上のことから、一般的な遺品整理ではお祓いは不要であることがおわかりいただけたと思います。ただ、遺品整理においては悪いものを取り除くお祓いではなく、ご供養をしていただくと心安らかに遺品整理ができます。

 

供養とは

 

供養とは、亡くなった方の冥福を祈る行為です。

 

冥福を祈るというのは、簡単に言えば「あの世でも幸せに暮らしてね」とお祈りをすることになります。死んだ人間は「冥界(あの世のこと)」に行くと言われています。亡くなった方がこの冥界で幸せに暮らせるように祈ることを「冥福を祈る」というわけです。

 

また、供養は「もの」に対しても行われます。日本では昔から八百万のものに魂が宿っており、ものを大切にすること、ものに感謝することを尊いことだとしてきました。そのため、遺品整理の現場においても、これまで使ってきた道具や、故人が大切にしていた物に対して、感謝の念を込めて供養することが多いのです。

 

例えば故人が大切にしていた時計、布団、メガネなどは供養を希望されます。その他、役目を終えた雛人形や五月人形を人形供養に出す方もいらっしゃいます。

 

最近特に多いのが大きな仏壇を供養後、処分する方です。実家の大きな仏壇は自宅に置けないから、ということで処分を選ばれますが、その際にはほとんどの方が供養をされます。

 

私は日本人の、この「道具に感謝する」という考え方が大好きです。もちろん部屋に対して行う方も少なからずいらっしゃいます。供養は絶対にしなければいけないものではありませんが、遺品整理を行うときは、お世話になった道具や部屋に対して「ありがとう」の意味を込めて供養をしてあげてください。

 

遺品整理では遺品を供養(魂抜き)したほうがいいの?

 

供養を依頼するには

 

では、実際に供養するにはどのような方法があるのでしょうか。

 

菩提寺にお願いする

もっとも良い方法が昔からお世話になっている菩提寺(ぼだいじ)に供養をお願いする方法です。菩提寺は檀那寺(だんなでら)とも呼ばれ、お墓の管理や法事・法要をしてくださるお寺のことを指します。

 

昔からお付き合いのあるお寺なら、あなたも安心して頼むことができますし、菩提寺としても檀家さんのお願いですから快く引き受けてくれるはずです。

 

その際のお布施が必要です。お布施とは、わざわざ家に来てお経をあげていただく料金とお考えください。このお布施は1~5万円程度が相場と言われています。お布施の幅があり困るという方は3万円お包みしておけば間違いないでしょう。

 

僧侶派遣サービスを利用

お寺との関係が希薄で相談できるところがない方も多いと思います。そんなときはその時限りの法要をしていただける「僧侶派遣サービス」を利用すると便利です。1回限りの利用が可能で、お願いしたあと檀家になる必要もありません。

 

また、何かと悩みやすいお布施についても最初から決まっているので悩む必要もありません。ただ、派遣サービスごとに料金設定が異なりますので、あなたにあったサービスを選んでいただいていいでしょう。おおむね3万円より手配しているところが多い印象です。

 

供養に対応した業者に依頼

その他、遺品整理をお願いした業者に依頼することもできます。例えば弊社ですと、供養の対象として「仏壇」「位牌」「仏具」「人形」「神棚」「遺品」など、依頼主様が供養したいと思われるものはすべて対応しています。(↓実際にご供養した品)

 

 

 

 

こうした業者では遺品整理から供養処分まで一括で任せられるメリットがあります。部屋を供養する際にもお坊様を見つけてもらえますし、さまざまな手間を省くことができます。

 

ちなみにお祓いを依頼するには

 

お祓いをお願いしたい人のために少しだけ解説しておきます。お祓いを依頼するのは「神社」です。ご自宅に一番近い神社にお願いすると良いでしょう。

 

その際最も注意したいことが「時間」です。お祓いには様々な準備があります。例えば、別の神事との日程調整、お供え物の準備、御札やお守りの準備などです。ですのでできれば1週間前、遅くとも3日前までにはお祓いの予約をしておきましょう。

 

また、自宅に来ていただいてお祓いをしていただくわけですが、その際の初穂料(この場合はお祓いの料金)が必要になります。自宅に招くお祓いの初穂料は2~5万円程度が相場となっています。初穂料については金額が決まっている神社もあれば、「お気持ちで」と曖昧に言われる神社もあります。金額に困るようでしたら、「はじめてなもので皆さんおいくらくらい包まれているのですか?」と直接お聞きにっても良いと思います。

 

まとめ

このページでは遺品整理において部屋のお祓いは必要かについて解説してきました。基本的にはお祓いの必要はありません。ただ、気持ちの上でなにか引っかかることがあるのであればお祓いを依頼していただくと良いでしょう。

 

遺品整理ではお祓いではなく供養を前提に進めていただくと良いかと思います。供養は部屋に対してもモノに対してもできます。処分の際に「これまでありがとう」という気持ちで供養をしてあげてください。

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