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高齢者のゴミ屋敷問題は地域包括支援センターで解決できるのか

投稿日:2024年6月22日 | 最終更新日:2024年6月22日

 

高齢者のゴミ屋敷問題は、他人事では済まないことがあります。もしこの問題に直面した時は地域包括支援センターに相談すると解決の糸口が見つかるかもしれません。

 

地域包括支援センターとは、市町村が設置する介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」です。

 

ここでは高齢者のゴミ屋敷問題に地域包括支援センターがどこまで対応してくれるのか、ゴミ屋敷の片づけをどのように行えばよいのかを解説していきます。

 

 

高齢者のゴミ屋敷問題

近年、高齢者が住む家がゴミ屋敷化する問題が増えています。これは個人の生活環境や健康状態、社会的なつながりが関わっており、一筋縄では解決できなくなっています。まずは高齢者がゴミ屋敷になりやすい理由と、ゴミ屋敷の片付けを誰がするべきかについてみていきましょう。

 

高齢者がゴミ屋敷になりやすい理由

高齢者がゴミ屋敷に住むようになる背景には、いくつかの要因が考えられます。

 

最も大きな要因は、身体的な衰えです。年齢と共に体力が低下し、重い物を運ぶことや掃除が難しくなることが多いです。また、病気やけがでさらに動きが制限されることもあります。このような肉体的な制約により、片付けが難しくなります。

 

精神的な健康も重要な要素です。独り暮らしの高齢者は、孤独感を感じやすく、うつ病や認知症などの精神的な健康問題を抱えることが多いです。これらの問題は、生活環境の維持に対する意欲を低下させ、ゴミ屋敷の状態になりやすくします。

 

さらに、社会的なつながりの不足も一因です。高齢者が家族や友人、地域社会との関係を失うと、助けを求めることが難しくなります。特に都会では、隣近所との交流がなく孤立感が深まります。このような状況では、誰かに手助けを求めることが難しく、ゴミ屋敷化が進むことがあります。

 

ゴミ屋敷は誰が片付けないといけないのか

現実問題としてゴミ屋敷問題の解決には、誰が片付けを行うかという課題があります。

 

まず第一に考えるべきは本人です。しかし、前述の通り、高齢者本人が自力で片付けを行うことは難しい場合が多いです。このため、家族の協力が重要になります。家族が定期的に訪問してゴミの片付けを手伝うことが最も効果的です。

 

ただ現実的には遠方に家族が住んでおりなかなか支援ができないという方も多いようです。久しぶりに帰ってみるとゴミ屋敷化して驚いたという話は珍しくありません。

 

そのほか近隣住民や地域社会も支援の手を差し伸べることができると。隣人が日常的なコミュニケーションを通じて、高齢者の生活環境を把握し、助けが必要な場面でサポートすることが重要です。

 

しかし先ほど述べたように近年では近隣との関係の希薄化によりこの仕組みを作ることが難しくなっています。

 

以上のように様々な背景から高齢者のゴミ屋敷化が増加してきているのです。

 

 

 

地域包括支援センターにできること

ではこのようなゴミ屋敷問題に自治体が設置する地域包括支援センターではどのような支援ができるのでしょうか。以下では、地域包括支援センターの役割とその限界を見ていきましょう。

 

地域包括支援センターは何ができる?

地域包括支援センターは、高齢者が安心して暮らせるように支援するための施設です。主な役割は、「自立支援」「介護予防」「権利擁護」という三つの柱に基づいています。

 

ゴミ屋敷問題に関連する部分として、特に「自立支援」と「権利擁護」が重要です。センターでは、高齢者が困難な状況にあっても、自分らしく生活を続けるための相談やサポートを行います。

 

例えば、ゴミ屋敷化している高齢者に対しては、問題解決に向けた相談にのってくれます。生活習慣や心理的な背景を踏まえたカウンセリングの実施、必要に応じて福祉サービスの紹介や手続きのサポートを行います。

 

地域包括支援センターでゴミ屋敷の片付けはできない

ただし、地域包括支援センターが直接ゴミ屋敷の片付けを担当することはできません。これは、センターの主な業務が支援や相談に限定されており、物理的な清掃作業は専門外であるためです。ゴミの片付けは専門の業者や清掃サービスの領域となります。

 

例えば、高齢者が物理的な能力や健康状態の問題で片付けができない場合、センターはその旨を把握し、適切な清掃業者や福祉サービスを紹介することが役割となります。このように、地域包括支援センターは、ゴミ屋敷問題に対して間接的な支援を行います。

 

 

 

実際にゴミ屋敷を片付けるには

実際にゴミ屋敷を片付けるためには、いくつかの方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。

 

本人またはその家族で片づける

ゴミ屋敷を片付ける第一歩は、本人またはその家族が積極的に関わることです。家族での片付けには以下のようなメリットがあります:

 

  • 経済的負担が少ない:家族で片付けることで、業者を雇う費用を節約できます。
  • 心理的支え:本人が孤立感を感じず、少しずつ片付けを進めやすくなります。
  • プライバシーの保護:家族内で片付けるため、プライバシーが守られます。

 

しかし、デメリットもあります:

  • 時間と体力の負担:大量のゴミを片付けるには、時間と体力が必要です。
  • 対人関係のリスク:本人と家族間で片付けに対する意見が合わず、関係が悪化する可能性があります。

 

地域包括支援センターに業者を紹介してもらう

家族での片付けが難しい場合、地域包括支援センターが紹介してくれる業者に依頼するというのも一つの手段です。

 

  • 迅速な対応:プロの手によって短期間で片付けが完了します。
  • 専門知識と技術:ゴミ屋敷の片付けに特化した知識と技術を持っています。
  • 心理的な負担軽減:専門家に任せることで、家族のストレスが減少します。

 

一方、以下のようなデメリットも考慮する必要があります:

  • 経済的負担:業者を利用する費用がかかります。
  • プライバシーの問題:第三者が家の中に入るため、プライバシーが侵害される可能性があります。

 

もちろん地域包括支援センターを通さずにご自身で業者を探すこともできますが、センターに紹介してもらうことで業者を探す負担が軽減しますし、なにかトラブルがあったときには間に入ってくれるメリットもあります。

 

ゴミ屋敷問題を解決するためには、これらの方法を状況に応じて組み合わせることが重要です。自分たちでできるところは自分たちで片付け、費用の節約をする。重量物や手に負えないゴミを処分したいときは専門家に依頼するなど、サービスを使い分けて利用することがゴミ屋敷解決のポイントです。

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