遺品整理の罪悪感を乗り越える方法:気持ちを楽にするポイント
投稿日:2024年5月21日 | 最終更新日:2024年5月21日
遺品整理ではどうしても思い出がよみがえる品を扱うため、「罪悪感でなかなか手が進まない」という方を多く見受けます。
ここではなぜ罪悪感が出てくるのかを知り、遺品に対する罪悪感をいかに克服するかについて紹介します。
理由と克服方法がわかると遺品整理がよりスムーズになり、心の負担を大いに軽減する手助けとなります。罪悪感を少しでも和らげ、心の整理をするきっかけとしてお役立てください。
Table of Contents
なぜ遺品整理に罪悪感を感じるのか
遺品整理には多くの感情が絡み合います。最も強いのは「罪悪感」です。この感情はなぜ生まれるのでしょうか。以下の理由が考えられます。
遺品をゴミとして処分することに抵抗がある
遺品とは故人が生前に使っていた物品であり、思い出が詰まった品々です。これらを「ゴミ」として扱うことに対して、多くの人が強い抵抗感を抱きます。
ある意味で「裏切り行為」に感じられるからです。遺品をゴミとして捨てることは、故人をないがしろにしているような気がしてしまいがちです。
仏壇や遺影を処理するとバチが当たりそうで怖い
仏壇や遺影は特に神聖視されがちです。これらを処分することに対して「バチが当たるのではないか」という恐怖心を抱く人も多いでしょう。
仏壇や遺影は故人の魂が宿っていると考えられるため、引き取れない事情がある場合には強い精神的な負担が伴います。
現代では家庭の事情や住宅事情がやむなく処分を選ぶ方が増えています。これも罪悪感を感じてしまう方が多くなっている理由の一つです。
思い出の品をどう取り扱っていいのかわからない
故人の思い出が詰まった品々をどう取り扱って良いのか、途方に暮れることは少なくありません。写真、手紙、故人の趣味の道具など、それらは単なるモノではなく、多くの思い出や感情が込められています。
これらをむやみに捨てることはできないし、しかし保存する場所も限られています。多くの人がこのジレンマに悩まされます。
故人に対して心の整理がついていない
遺品整理をしながら、故人に対する感情が整理しきれない場合は遺品を取り扱うだけでも辛いものがあります。
大切な人を失った悲しみや悔しさ、心の中に抱えたままで遺品を整理しようとするのは、心に大きな負担となります。心の中で故人との別れを完全に受け入れるためには、時間がかかることもしばしばです。
特に突発的な出来事があって大切な人をなくしてしまった方は故人の死を受け入れられません。そのようなときに行う遺品整理には罪悪感が伴います。
罪悪感を乗り越えるための具体的な方法
遺品整理を行う際、多くの人が罪悪感を感じます。これは故人の持ち物を処分することで自身の大切な思い出を手放すことや、故人への敬意を損なうのではないかという恐れから生じます。
しかし、遺品整理には心の整理を助ける重要な役割があります。ここでは、遺品整理における罪悪感を乗り越える具体的な方法を紹介します。
遺品整理は故人が心残りなく旅立てるお手伝い
遺品整理を通して、故人が残した物を整理することは、故人が心残りなく旅立てるお手伝いにもなります。
遺品がたくさん残っており整理が進んでいない部屋を見ると、故人も気がかりでなかなか旅立つことができないでしょう。ですから、遺品整理を行うことで故人も安心し、新しい旅立ちへと送り出していると考えると、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。
「故人がこんな風に整理してくれることを喜んでいるんだ」と思うと、自分自身の心も少し軽くなるかもしれません。
遺品の供養をする
遺品に対して供養を行うことも罪悪感を和らげる方法です。
菩提寺や住職に遺品供養を行ってもらうことで、感謝の気持ちを伝え、故人に対する敬意を表すことができます。例えば、お念珠や遺影といった特別な思い出が詰まったものは、そのまま処分するのではなく、お寺や専門の業者に供養してもらうと良いでしょう。
供養を通じて、「大事にしていた物を丁寧に扱った」という事実は故人にとってもあなたにとってもよいことなのです。
思い出の品は家族や友人と共に整理する
遺品整理を一人で行うのは、時々心が折れそうになることがあります。
そんなときは、家族や友人と一緒に行うことで気持ちの負担を軽減することができます。思い出の品を手に取りながら、「このときのこと覚えてる?」と話し合い、故人の人生を振り返ることで、感謝の気持ちや楽しかった思い出がを話しながら整理すると気持ちも前向きになるものです。
みんなで故人のことを思いながら作業することで、罪悪感よりも温かい思い出を感じられるようになります。
遺品整理をするから心の整理がつく
遺品整理を行う過程で、自分自身の心も一緒に整理されることがあります。
遺品の中には、故人との思い出が詰まった物がたくさんあります。それらを一つ一つ確認しながら整理することで、故人との対話が行われ、それだけで故人も喜んでくれます。
また、感情の整理がつかない時には無理せず、少しずつ自分のペースで進めていくことが重要です。遺品整理が終わった時、心の中にも一区切りがつき、前に進む力が湧いてくるでしょう。
遺品整理は誰がするとよいのか
遺品整理は、故人の思い出が詰まった品々を手にすることから、多くの感情が湧き上がるものです。
そのため自分たちで行うのか、業者に依頼するのかで、その負担やストレスの軽減が大きく変わります。そこで、自分たちで行った時のメリットとデメリット。業者に依頼した時のメリットとデメリットを解説しておきます。
自分たちで遺品整理するメリットとデメリット
自分たちで遺品整理をする最大のメリットは遺品を通じて心の整理がつくことです。これまで述べてきた通り、整理が進むにつれ罪悪感もなくなってくることでしょう。
また、すべて自分たちで遺品の確認ができるため、残しておきたいもの、処分するものが明確になりトラブルが起きにくいです。
さらにお得なメリットとして遺品整理費用の節約になります。不用品は処分することになりますが、交通費と処分料だけで遺品整理ができます。
納得がいくまで丁寧に進めることもできます。すべての家財や故人の持ち物を一点一点確認しながら進めることができるため、思いもよらない遺品が見つかるかもしれません。
デメリットはその膨大な作業量があります。家を一軒片づけようとすると時間も体力も非常にかかります。アパートで独り暮らしだったというケースでは何とかなりますが、3LDKのマンションに住んでいた、一軒家に住んでいたとなると計画的にやる必要がでてきます。
- 人員の確保
- 日程調整
- 廃棄物処理方法の確認
- 粗大ごみの運び出し方法
- 遺品の処遇
- 必要な道具の準備
など、考えることが山積みです。
どのような物品をどう処理するかを明確にし、処分するもの、他の人に譲るもの、保管するものをそれぞれ分けることもポイントです。この際、ラベルやメモを活用すると整理がはかどります。
必要な道具や材料を事前に揃えておくとスムーズに作業が進みます。大きなゴミ袋、段ボール箱、マジックペン、ラベル、マスク、防護メガネ、カッターナイフ、紐、台車、ペンチ、各種ドライバーなどです。
分別や運び出しには思っている以上に時間がかかることがあります。時間には余裕をもって計画していってください。
遺品整理を業者に依頼するメリットとデメリット
次に、遺品整理を専門の業者に依頼するメリットとデメリットです。
プロに任せるメリットは心理的な負担が軽減されるという点です。自分たちで整理する際には、どうしても思い出が蘇り、手が止まってしまうことが多いのですが、業者に依頼することでそのような心理的な負担を減らすことができます。
また、業者は専門知識を持っているため、効率的かつ迅速に遺品整理を行うことができます。例えば、故人の持ち物に対して最適な処理方法をアドバイスしてくれたり、リサイクルやリユースが可能なアイテムを適切に処分してくれます。さらに、業者の多くは供養のサービスを提供しておりそのまま捨てることが偲びない品についても適切に対応してもらえます。
業者に依頼することで体力面の負担もなくなります。特に、大きな家具や電化製品などは自分たちで運び出すのが大変ですがすべてお任せできるため体力に自信のない方にはありがたいですよね。
時間と労力を節約できる上に、思い出の品々を大切に扱ってもらえるのは、大きなメリットと言えます。
デメリットとしては金銭面の負担があることです。小規模の遺品整理ならおおよそ3万円程度から、大規模の遺品整理になると100万円を超えることもあり、どうしてもお金がかかります。
また、すべて任せてしまうケースですと故人と向き合う時間が取れないこともデメリットの一つです。
以上のように、自分たちでの遺品整理と業者に依頼する遺品整理には、それぞれのメリットとデメリットがあります。予算や時間、感情の問題などを考慮しながらあなたにあった遺品整理ができることを願っています。
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