下関市|大量のゴミ片付け(子供のためにも過去を精算したい)
作業・施工内容
10年ほどこの仕事をしていますが、ゴミ屋敷の片付け依頼は本当に相談しにくいものだと痛感しています。
今回のご依頼も、そんな相談しにくい中、子どもたちに励まされてゴミ屋敷問題を解決された、あるお母さんのご紹介をしたいと思います。(掲載許可をいただきありがとうございます)
ご相談内容
夜中に次のようなメールをいただきました。
このときにご連絡いただいたのは、東京在住の20代の男性。後にわかりますが息子さんでした。質問に対して、「対応していること」「お見積りは無料であること」をお伝えしましたが、そのご連絡はありませんでした。
それから5ヶ月が過ぎた頃でしょうか。次のような見積り依頼をいただけたのでした。
名前は覚えておりましたので、正確なご住所等をお伺いし、希望の日にお見積りです。このとき「現地には母が参りますのでよろしくお願いします」とのことでした。
お見積り
お見積りの日は晴天。ドライブ気分で関門海峡を通ります。
現地につくとまだ誰も来ていません。アパートを見てみると、もうどなたも住んでおられないようです。カーテンがありません。一部屋を除いて。「あそこだろうな」と思いながら数分待っていると一台の車が入ってきました。
お母様と思しき方とは別に女性が二人おりてきます。「あ~違った」と思っていると「アークサービスさんですか?」とのこと。間違いではなかったようです。
「一人で来るつもりでしたが不安だったので休みの娘たちにも来てもらいました」とのこと。
その気持ち。わかります。不安じゃない方のほうが少ないです。というよりいませんから。全く問題ないことをお伝えし、早速部屋へ行きます。やはり先程の部屋のようです。
「お見せするのがとても恥ずかしいです」「電気は来てないので暗いです。一応昨日来て、懐中電灯だけつけてはいますが気をつけてください」とのこと。実際の様子が以下の写真です。
パッと見ただけで大変な物量であることがわかります。また、ホコリの堆積量から長年放置されていたことがわかります。
キッチンは異臭が漂っています。下の方には何があるのかもわからない状態です。テレビのある部屋では太物高さまでゴミが堆積。その隣の部屋は一歩も入れず、おおよそ肩の高さまでゴミが溜められていました。
後ろめたさからでしょうか。お母様は下を向いて無言です。娘さんも何も言われない状態でした。
ここで私が本を踏んでしまってずっこけそうになったことから、「大丈夫ですか?こんな状態なんで気をつけてくださいね」と少し笑顔になられました。
「こんな状態を見ていただくのは本当に申し訳なかったです。実は○○日にこのアパートが解体になるのでそれまでになんとかしてほしくて、東京にいるお兄ちゃんに探してもらったんです」
「昔は綺麗にできてたんですけど、主人が死んでからなにもできなくなりました。主人がいないことで緊張の糸が切れたみたいで・・・」
「子どもたちに不自由させているのが一番情けなくて・・・。今回も娘たちに尻を叩かれてやっと今日になったんです。自分じゃとてもじゃないけど相談できないです」
「こんな状態ですから住めないので、3年ほど前にここを出て別のアパートに住んでいます。ここの家賃を払い続けるのもしんどいです」
「今回解体になるのはいい機会だと思っています。今回で終わりにしたいです」
と、大変な胸の内を話してくださいました。いつも思いますが、誰でもちょっとしたきっかけで片付けができなくなります。そのことを恥ずかしいと思うのは仕方のないことかもしれませんが、ゴミ屋敷問題を解決するにはそれを乗り越えて相談するしかないんですよね。弊社もご相談いただいたからにはなんとかしたいと思いました。
ここでお見積りを提示すると、「一旦みんなで相談させてください。お兄ちゃんにも聞きたいので。必ずご連絡します」とのことで後日連絡いただくことに。次の日には息子さんからメールをいただきました。
正式な依頼をいただけました。お母様たちも安心してもらえたようです。やはり信頼してもらえると嬉しいものですよね。ここからは弊社が頑張る番です。
作業内容
作業当日。今回は立ち会いなしですので朝鍵をお預かりし、すべて弊社にお任せいただくことになりました。基本的に残すものはないが、「マンガ本」「AKBのCD、グッヅ」「骨壷」「写真」は残してほしいとのこと。骨壷はなくなったご主人さまのものです。これは必ず見つけないといけません。
まずはキッチンの一部を片付け搬出。通路を作ります。と言っても、その作業だけで1時間以上かかっています。次に奥の部屋にいくのを邪魔している水屋を撤去。服とゴミできれいな壁がでてきました。
これをしっかり分別しながらゴミ袋へ。↓の状態になるまでスタッフ2名で4時間。
↓の状態になるまでさらに1時間。合計5時間かかっています。(ちょっと一息中)
続いて普段生活されていたの部屋。写真の左側に鏡がありますが、ここに骨壷がありました。(見つかったときはホッとしました)ここは息子さんと娘さんの私物がたくさんありました。
分別の細かさはトップレベルに大変なもので、量の割には非常に時間がかかった場所になります。
なんとタンスの中も細かいゴミが入り込んでいます。
畳に近くなるとさらに細かなゴミが出てきて大変でした。
全体が把握できてくると安堵のため息が出ます。さてもう一息!
キッチン部分も徐々に片付いてきました。
リサイクルできる雑誌類は紐で縛って搬出します。
4日かけてすべて空っぽになりました。今回は解体されるので掃除はなしです。キッチンはところどころタイルが剥げ落ちています。
十数年分の汚れです。写真にダンボールがいくつか残してありますが、捜し物をすべてまとめて入れたものです。最後にお母様、娘さんに確認していただきました。そこで、「うわ~すごい!ぶちゴミがあったのに空っぽ!」と娘さんが驚きの声を挙げられていました。お母様も、
「本当にありがとうございました」
「ず~っと気になっていたことが終わって胸のつかえがなくなりました」
「誰に頼んでいいのかもわからず、ましてやこんなことお願いしていいのか、お金がどれくらいかかるのか不安で仕方ありませんでした」
「本当に丁寧にしてくださってありがとうございました」
「ここの家賃ももう払わないでいいことがうれしいです」
「本当にありがとうございました」
このように何度も何度もお礼をいただきました。それだけ何年もつらい思いをされていたのでしょう。最後の最後まで見送っていただき、下関市の現場を後にしました。
ゴミ屋敷状態でどうすればいいのかお悩みの方は是非ご相談ください。あなたに最適のプランをご提案します。