実績紹介


福岡市東区|ゴミ屋敷の片づけ(統合失調症で片付けができないです)

福岡市東区|ゴミ屋敷の片づけ(統合失調症で片付けができないです) Before

After

作業・施工内容

今回ご紹介するのは、統合失調症の娘さんと、その母親が暮らす一軒家を片付けたときの事例です。病気の苦労や、片付けがしたくてもできない辛さなど普段聞くことができないお話も聞くことができました。

 

少々長いですが、ぜひご覧いただければと思います。

 

ご相談内容

「私は○○という福祉施設のものですが、うちを利用されている方のご自宅を片付けていただきたいと思い連絡しました」

 

「決して裕福な家庭ではありませんので、見積もりによってはお断りするかもしれませんが大丈夫でしょうか?」

 

弊社は福祉施設からもよくお問い合わせがあります。お話を聞くと、母親と娘さんの二人暮らしで、家がものだらけで不自由されているとのこと。もちろん大丈夫ですので、施設スタッフの立ち合いの元、お見積りをさせていただくことになりました。

 

お見積り

現場は郊外にある一軒家。すでに職員の方がいらっしゃっており、お母さんと娘さんを紹介されました。30代の娘さんから、

 

「今日はよろしくお願いします」

 

「私は障害があって片付けができません。母も足腰が弱くなっているので難しいです」

 

「自分たちだけではどうしてもきれいにできないのでお願いします」

 

と丁寧なごあいさつをいただきました。お話し中は一言シャベルごとに休憩をはさみながら、一生懸命説明していただきました。早速部屋を見ていきます。(以下、実際の写真です)

 

【↓玄関の写真、ものだらけで人が通れるスペースわずかです】

 

【↓通路はすべてこの状態】

 

【↓娘さんの部屋です。たくさんあるがどうしても捨てられないとのこと】

 

【↓娘さんの部屋別角度。全体的にふくらはぎあたりまでゴミがあります】

 

【↓リビング全体写真。床も机の上もものとゴミで埋め尽くされています】

 

【↓リビング別角度】

 

【↓テレビの前の小さなスペースで寝食をされているそうです】

 

【↓キッチン。消費期限の過ぎた食品だらけでした】

 

1階部分を確認し終えた後、職員の方から「2階もたくさんあるんです」という言葉が。2階は全く使っておらず、倉庫代わりになっているとのこと。できれば片づけたいとのことで、拝見させていただくことになりました。

 

【↓2階に上がった直後の通路。通路には見えませんが、部屋に入りきれないものが置いてあるようです】

 

 

【↓2階、お母さんの部屋。大量の服が積みあがっています】

 

 

【↓別の部屋ももので埋め尽くされています。ここは布団が多いようです】

 

2階の確認を終え、すさまじい量の片づけになることが予想されました。ここでお母さんから次のようなお話を聞きました。

 

「どうも物が捨てられないんです」

 

「まだ使えると思っちゃうんですよ」

 

私は物がない時代を経験してるんでもったいなくてね~

 

「でも物が多すぎて電話が鳴っても電話までたどり着けなくなってしまいました」

 

「足が悪いんで何度も転んでしまいそうになることもあったんで、これはいけないと思い福祉施設に相談したんです」

 

障害を持っているという娘さんからも、

 

「私も何度も片づけようと思ったんです」

 

「でも片付けを始めると息ができなくなってフラフラしてしまいます」

 

「私も捨てられない性格らしく、明らかなごみ以外はとりあえず保管してしまうのです」

 

「自分でも駄目だとわかっていても、どうしてもできません」

 

と切実な悩みを打ち明けていただきました。

 

70代以上の方については、ものが少ない時代を生きてきた方が多く、まだ使えるものを捨てるという行為に嫌悪感を抱く方が多いです。そのため「使えるけど全く使わないもの」に埋め尽くされて日々の生活が困難になっているお宅を数多く見てきました。

 

また、今回の事例では娘さんも「捨てられない性格」とのことで、余計に状況を悪くしているようです。この場合は、お母さんもそうですが、娘さんにも頑張ってもらわないといけません。そこで弊社から、

 

  • モノを減らさなければ、今の状況を変えることができないこと
  • 私たち(弊社)も頑張りますが、それ以上にお母さんと娘さんが頑張って捨てる覚悟をしなければならないこと
  • どうしても捨てることが出来ないものは捨てなくても良いが、いつかは必ず整理しなくてはいけないこと

 

をアドバイスさせていただきました。お母さんは頑張りますとおっしゃっていただきましたが、娘さんは「自信がないです」と少々弱気です。

 

横で話を聞いていた職員の方から、「これを機会に頑張ってみましょう。お母さんのためにも」と励ましの言葉が。弊社と職員の方の励ましにより、「やってみます」と決意されたのでした。

 

ここで問題になってくるのがお金の問題です。今回、片付けに使える予算は限られているとのことでした。決して安くない金額を用意していただいていましたが、量が莫大なため1階と2階すべてを片付けとなると足りません。

 

そこで弊社から「今回は一番よく使う1階部分だけ片づけましょう」と提案させていただきました。すると「そうしていただけるなら・・」と本人様、職員様にもご納得いただけたようでした。職員様から「一度検討させていただいてご連絡します」とのことで一旦帰ることになりました。

 

次の日には施設職員様から「正式にお願いすることになりましたのでよろしくお願いします」とのご連絡がありました。(ありがたいことです)当日は職員様も「本人様を励ましにきます」とおっしゃってくだされ、連携してお片付けをしていくことになったのでした。

 

作業内容

作業当日。現場に着くとすでにお母様と娘さんは作業を始めていました。早速お手伝いを始めます。一点一点お伺いしながら処分・残すを判断していただくのですが、ほとんど物を残したいと言われます。もちろん無理強いをするものではありませんが、これでは全く片付きません。

 

そのため「今回はいい機会なので頑張って捨てましょう」とアドバイスしますが、やはり無理とのこと。元々捨てられない性格の人は、初日は「残しておく」ということになりがちですが、時間がたつと「やはり処分します」というふうに考えが変わるケースが多いのです。これを期待してこれ以上のことは言わないことにしました。

 

娘さんの部屋を片付けているときは、ご自身の障害について様々ことをお聞きしました。

 

「私の障害は統合失調症といいます。ご存じですか?」

 

「妄想がひどいらしく、現実と非現実の境がわからないのです」

 

「今は薬で抑えていますが、ひどいときは母が二人に見えたり、一日中誰かの声が聞こえたりしていたんです」

 

「もともと片付けは苦手だったんですが、病気が悪化しだしてからさらに苦手になりました」

 

本来なら話しにくいことだと思いますが、それでも一生懸命現在の状況を話してくださいました。実際にお片付けをお手伝いしていましたが、捨てることへの恐怖心を感じておられるように見えたのです。

 

こういったときは無理に捨てないようにアドバイスしています。あとから後悔するようなお片付けならしないほうがマシです。そのためできる範囲で、罪悪感を感じない範囲でのお片付けになりました。(↓がアフター写真)

 

 

残念ながらスッキリというわけにはいきませんでしたが、これでも3時間ほど頑張っていただいたので十分と判断しました。また次の機会にでも捨てる決断ができればいいですよね。

 

その他の場所もゆっくりとですが着実に進めていきます。冷蔵庫の中もかなり悲惨な状態でした。↓の9割は消費期限を過ぎています。さすがにこれは一気に片付けていきます。

 

 

↓戸棚に保管されていた缶詰も腐敗し、ガスにより膨張してしまっています。

 

 

お母様は当初、捨てられない性格ということでなかなか片付けが進みませんでした。しかし、作業が進むうちに徐々に考えが変わってこられました。このときは2日間で作業をしたのですが、2日目にはお母様が「これだけ頑張ってもらってるんだから頑張って捨てます」と言ってくれたんです。このようにきれいになっていく過程を経験すると、意識が変わることはとても多いです。

 

決して一気にきれいになったわけではありません。しかし、以下のように通路は広くなり、リビング・キッチンの床が見えるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

テーブルの上にあるものは自分たちでやりたいとのことでそのままにしていますが、最初の状況からは劇的に変化しています。リビングをまっすぐ歩けることに感動してとても喜んでいただけました。お母様からは、

 

「あなたたちに来てもらってよかった」

 

「私も娘も業者さんに慣れていないので実は不安だったんです」

 

「でも親切に話も聞いてくれて、この2日間とても楽しく片付けができました」

 

「とてもしんどかったけど頑張った甲斐がありました」

 

と大変うれしい言葉をいただきました。娘さんからも、

 

「本当にいろいろとお世話になりました」

 

「実は黙っていたのですが、施設職員の方のアドバイスで他業者にも見積りを取っていたのです」

 

「料金的には他にも安いところがあったのですが、障害を持つ私の話を真剣に聞いてくれたり、いろいろとアドバイスをしてくれたりしたことがうれしかったのでアークサービスさんに決めました」

 

「施設職員の方も『一番やさしかったから絶対にここ(弊社)がいいよ』といってくれました」

 

「実際の作業中もとても親切で、お願いしてよかったと感じました」

 

「あまりに親切なので、たくさんわがままをいってしまい甘えてしまいました。すみませんでした」

 

と涙が出るほどうれしい言葉をいただきました。私としては納得のいく内容ではありませんでしたが、ここまで喜んでいただけたなら頑張った甲斐があるというものです。最後にアンケートもいただきましたので紹介します。

 

 

弊社にご相談いただいた理由は何ですか?

●●●●(施設名)の方に片付けきれないと相談したのが最初で、ゴミをとるだけの業者じゃなく掃除もしてくれる業者がいいと相談したことで職員の方が連絡してくれたのです。

 

失礼ですが何者(社)か見積りを聞いて一番やさしい対応をしてくれたので、職員さんが「ここがいいっちゃない?(ここがいいのじゃない?)」と言って安くはないけどきめました。

 

でも良かったです。アフターサービスもきいて、やりっぱなしでいっちゃったような(やりっぱなしにされるような)つきおとされたかんがなく、何でもそうだんできてねどこ(寝床)を作ってもらったり、ふすまのあけしめも注意してくださりありがたかったです。

 

スタッフの対応は満足のいくものでしたか?

甘えてしまいました。自分のできない事をあっというまにパッパッと終わらせるてぎわの良さ、判断力、とてもすばらしかったです。

 

良く(欲)をいえば、もう少しきれいにしてほしかった。色々と。あと2階もしてほしかったけどすてる判だんができずしょうがなくなってしまいました。

 

作業内容にご満足いただけましたか?

ほぼ満足です。

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