ゴミ屋敷化した市営住宅からの退去方法とは?
投稿日:2024年5月22日 | 最終更新日:2024年6月28日
ここでは市営住宅や公営団地をゴミ屋敷してしまってお悩みの方に向けて解決方法をお伝えしています。
市営住宅や公営団地はゴミの集積所まで遠かったり、エレベーターがなかったりとゴミを出すこと自体大変であることが多いです。また、ルールが厳しく制定されていることもあり、ゴミ屋敷化しやすい環境でもあります。
ただ市営住宅や公営団地を退去するときは原状回復(部屋を借りた時の状態に戻すこと)が原則であるため、どうしていいのかお悩み方も多いはずです。
ぜひこの記事を参考にゴミ屋敷からの脱出と生活再建を目指してください。
Table of Contents
市営住宅をゴミ屋敷にした時の問題点
市営住宅は、多くの住人が共同で生活する場です。そのため、一軒でもゴミ屋敷となると様々な問題が発生します。まずはゴミ屋敷がもたらす生活環境の悪化、害虫や悪臭の発生、さらには火災の可能性や近隣住民への影響について詳しく紹介します。
生活環境の悪化
ゴミ屋敷になると、当然ながら生活環境は大きく悪化します。
部屋中がゴミで埋め尽くされるため、家具の配置もままならなくなり、日常生活に支障をきたします。また、ゴミが散乱していると掃除が行き届かないため、ホコリや汚れがたまりやすくなります。
その結果、住む人の健康にも影響を及ぼすことが多いです。そして、不衛生な環境では病気にかかるリスクも高まり、特に体力のない高齢者や子どもにとってはつらい生活環境となります。
害虫や悪臭が発生
ゴミ屋敷の中には生ゴミや食べ残しなどが放置されがちです。
その結果、害虫が発生しやすくなります。ゴキブリやハエ、ネズミなどが繁殖しやすい環境となり、一度発生するとその駆除は非常に困難です。
また、悪臭が発生する原因ともなります。特に夏場など気温が高い時期には、臭いが一層強くなり、部屋中に広がってしまいます。ひどい場合だと外にまで悪臭が広がります。このような環境では快適な生活を送ることは難しいでしょう。
火災の可能性が高くなる
ゴミ屋敷は火災のリスクも高まります。
大量のゴミや紙類が積み重なっていると、火がつきやすい状況が生まれます。特にコンロやヒーターなどの熱源が近くにあると、一瞬で火災が広がる危険があります。
さらに、ゴミが通路を塞いで避難経路をふさいでしまうと、火災が発生した際に迅速な避難が難しくなります。このような状況では、自分だけでなく他の住人や近隣住民にも大きな被害が及ぶ可能性があります。
近隣住人に迷惑がかかる
ゴミ屋敷は、自分自身だけでなく、周りの住人にも大きな迷惑をかけます。
まず、害虫や悪臭が周囲に広がり、近隣の住環境も著しく悪化します。実際にベランダを伝ってゴキブリが近隣に侵入したという苦情を目の当たりにしたことがあります。また、上記で紹介したように火災のリスクが高まるため、安全面でも周辺住民の不安が増します。
さらに、市営住宅では共同の廊下や階段を使用するため、ゴミが廊下に飛び出してくると、通行の妨げになります。このような状況は、周囲の住人とのトラブルの原因となりやすく、市営住宅や公営団地全体の住環境が悪化する一因となります。
そのほか単純な理由として近隣にゴミ屋敷だとバレると恥ずかしいですよね。
以上のように、市営住宅をゴミ屋敷にすると様々な問題が発生します。生活環境の悪化や害虫・悪臭の発生、火災のリスクの増加、そして近隣住民への多大な迷惑など、その影響は計り知れません。次では、こうした問題を解決するための具体的な対策として「退去時にやるべきこと」を詳しく説明していきます。
退去時にやるべきこととは
市営住宅を退去する際に、何をすれば良いのか悩むことがあるかと思います。ここでは、退去時にやるべき具体的な手順を説明します。これらの手順を踏むことで、スムーズに退去し、次の新しい生活場所への移行ができます。
ゴミと残置物撤去
まず最初に行うべきことは、やはりゴミの処分と不要な物の撤去です。退去する際には、自分の持ち物をすべて持ちだすか、処分しなければなりません。
ゴミ屋敷状態だとこの作業は思った以上に手間がかかることがありますので、計画的に進めることが重要です。
ゴミや不用品は自治体のルールに従って捨てるか、リサイクルショップに引き取ってもらうなどして、しっかりと処理しましょう。うっかり残ってしまったものが後でトラブルになるケースもあるため、注意が必要です。
あとから取り付けたものの撤去
市営住宅に住んでいる間に、棚やカーテンレールなど、DIYで取り付けたものがある場合、それらも元通りにする必要があります。
取り付けたネジや釘はすべて外し、壁や天井に残った穴も修復しなければなりません。また、追加の照明や装飾品なども同様です。
こうした作業を怠ると、退去後に補修費用を請求される可能性がありますので、慎重に行うことをお勧めします。問題が発生しそうな場合は、専門業者に依頼するのも一つの方法です。
掃除
最後に、退去時にはしっかりと掃除を行いましょう。
長い間住んでいると、知らないうちに汚れが溜まっています。特に、キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りは念入りに掃除してください。
また、窓や床、壁も忘れずに清掃しましょう。これにより、次の入居者が気持ちよく住める環境を作ることができます。簡単な掃除グッズで素早く掃除するコツや、おすすめの掃除道具を利用すると効率的です。
ただし、ゴミ屋敷状態が長年づいていると掃除では取れない汚れや破損個所が出てきます。その場合は市営住宅や公営団地の管理会社に正直に話して今後の対応をゆだねる必要があります。
ゴミの分別と処分方法
ゴミの処分方法についてもう少し詳しく紹介しておきます。
ゴミ出しルールの再確認
片付けを始める前にやっておきたいのが各自治体のゴミ出しルールを確認しておくことです。袋詰めしても不適正分別のせいでゴミを回収してもらえなかったというリスクを減らすためです。
自治体ごとに種類や分別方法が異なるため、自分の住んでいる地域のルールをしっかり確認しましょう。一般的には、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「資源ゴミ」「粗大ゴミ」などのカテゴリーに分かれています。
例えば、ペットボトルはラベルをはがしてリサイクルへ、紙類は種類別に分けて資源ゴミとして出すといった具体的なルールがあります。自治体のゴミカレンダーやホームページを活用すると、分別方法がわかりやすくなります。
ゴミ屋敷を片付けるポイント
ゴミ屋敷を効率よく片づけるには、「必要なもの」か「不要なもの」かを判断することが重要です。必要なものはひとまとめにし、残りの不要なものの処理に全力で取り組むのです。
片付けを始める際は玄関周りから片づけていくことをおすすめします。ゴミの搬出に何度も往復するところですので、スムーズに出入りできるようにしておきます。
それができたら次にゴミ袋で捨てやすい可燃ごみの処理がいいでしょう。ゴミが減っていくと片付けのモチベーションも高まります。目に見えてきれいになっていくのがわかるからです。
もし家族や知人に助けを求めることができるならぜひ協力を仰いでください。一人で片付けをしていると本当に気が滅入ります。恥ずかしいかもしれませんが、話すことで気を紛らわせながら進めていくとよいでしょう。
専門業者の利用方法
あまりに大量で自分では難しかったり、心が折れてしまった場合は、専門業者の利用を検討するのも一つの方法です。
専門業者には、ゴミ屋敷を専門で片付けるところがあります。これらの業者は、適切に分別し、リサイクルや最終処分の手続きを行います。また、見積もりを取ってから依頼することも可能ですので、費用を事前に確認できます。
注意点としては市営住宅や公営団地が指定してる業者がいる場合、そちらに依頼することになるかもしれない点です。片付けや掃除くらいなら他社でもOKのところもありますが、リフォームやメンテナンスはほとんどの場合指定業者です。片付けを始める前に管理会社に問い合わせておいたほうが確実です。
退去後にゴミ屋敷に逆戻りしないために
市営住宅をゴミ屋敷にしてしまった後、退去することになった場合、新しい住居でゴミ屋敷に逆戻りしないことが大切です。
しかし、ゴミ屋敷問題の解決は一筋縄ではいきません。片付けの習慣ももちろんですが、心理的なサポート受けてみることもゴミ屋敷解決の手段です。
心理的サポートと相談窓口
心理的なサポートが必要な理由が、ゴミ屋敷を作り出す背景には、ストレスや孤独感、場合によっては精神的な病が関わっていることが多いです。
そのため、退去後の生活再建に向けて、専門の心理カウンセラーや相談窓口を活用しましょう。市区町村の福祉課や地域のNPO団体が提供するサポートがある場合も多いです。
定期的なカウンセリングや支援を受けることで、精神的負担を軽減し、新しい生活に向けたステップを踏み出しやすくなります。
ゴミ屋敷を防止するための日常管理方法
生活の再建を図る中で、再びゴミ屋敷状態にならないようにするための日常管理方法を習得する必要があります。
まず、定期的な掃除と整理整頓を心掛けましょう。すぐには難しいとは思いますが、やはりこの心がけが一番の効果があります。また、不要な物をため込まず、定期的に断捨離する習慣を持つと良いでしょう。
生活のリズムを保つために、毎日のルーティンを作ることも効果的です。例えば、毎朝5分掃除をする、買い物のたびに古い物を捨てるなどの小さな習慣が積み重なることで、大きな変化が生まれます。
一人で管理することが難しい場合は、家族や友人に協力を求めることも大切です。コミュニケーションを取ることで、孤独感が軽減され、心身ともに安定した状態で生活を送ることができます。
地域のコミュニティに参加することや、サークル活動に参加することも、ゴミ屋敷に戻らないための一工夫です。
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