実家の片づけで喧嘩になる方必見!成功させるコツ
投稿日:2021年8月15日 | 最終更新日:2021年8月31日
「実家の片づけをしたいのですが母親(父親)と喧嘩になってしまいます」
このようなご相談は珍しくありません。実家の片づけで一番の障壁は「親御さんの了承をいただくこと」です。これまで数えきれないお宅を片付けてきましたが、ここさえ乗り切れば実家の片づけは一気に進みます。
ここでは親御さんの了承を得て、実家の片づけを成功させるコツ(考え方)について、これまでの経験をもとに解説しています。参考にしていただけると幸いです。
Table of Contents
1,親を説得するのではなく共感してもらう
まずほとんどの方が犯している間違いがあります。それが、「実家を片付けたいと親を説得すること」です。これまで数えきれないほどの「片づけてくれない親」を持つ「息子さん・娘さん」よりご相談をいただきましたが、相談を受けた時点で親子間の仲が険悪になっているケースがとても多いのです。お話を聞くと、
「顔を合わせるたびに片づけてほしいとお願いしていたけど一向にやってくれない」
とのこと。実はこの頻繁なお願いのせいで片付けをしてくれていない可能性があります。
ある現場では、娘さんよりご依頼をいただき、お母様と一緒にお片付けを進めておりました。そこでお母様にお話を聞くことができたのですが「娘と顔を合わせるのが嫌でたまらない」「物を捨てられるのが怖い」とおっしゃられていました。度重なる娘さんからの説得に嫌気がさしてしまわれていたのです。こうなっては実家の片づけは進みません。
あなたも経験があると思いますが、人に強制されることはやはり嫌なものです。特に乗り気でない片付けを、実の息子、娘にヤイヤイ言われるのはつらいと思います。
人は強制では動きません。そうではなく、共感してもらうことが大切なのです。一例をあげますと、
- つまずく危険性が減る
- 地震などの災害が起きたときに、落下物をなくすことができる
- モノを探す時間を短縮できる
- 清潔で快適な暮らしができる
- 広いスペースを確保できれば、孫が来たときにたくさん遊んでくれる
- 使っていないものを売ってお金にできる
などなど、「なるほど、そうかもね」と思われる提案をしてあげることが大切なのです。親だから子供の言うことを聞いてくれる、わかってくれるという思い込みは捨てましょう。
2、伝え方を変えてみる
1番に付随して「伝え方」を工夫してみるのも一つの手段です。
友人や会社の同僚と話すときは相手を思いやった言葉を使う人でも、親と話すときはぶっきらぼうになる方、いらっしゃいますよね。何を隠そう、私自身もそうなのです。ついきつい言い方になってしまいます。あなたも次のような言い方をしたことはありませんか?
- いつになったら片づけてくれるの?
- こんなのいらないでしょ!
- 邪魔だからどうにかしてほしい
- 使ってないじゃないの!
- 古い・汚い
- なんでわかってくれないの?
これをあなたが言われた立場ならとてもきつい印象を受けると思います。これを何度も言われると、つい反発したくなるのではないでしょうか?
こういった言葉は「否定語」と言います。そうではなく、次のような「肯定語」を意識してあなたの思いを伝えるようにしましょう。
- いらない → もう出番がないかもね
- 捨てる → 持ち帰る、リサイクルに出す
- 邪魔 → 転ぶ危険があるかも
- 古い → 大切にしている
- わかってくれない → 慎重に考えてくれている
一例をあげましょう。
「2階のあの部屋。使ってないものだらけじゃない。いい加減に片づけてほしい」
↓
「2階の部屋なんだけど、懐かしいものがたくさんあるよね。ただ、出番が少ないものも多いから、一緒に片づけてみない」
同じ2階の部屋を片付けてほしいことを伝えるだけでも印象ががらりと変わるはずです。もちろん言い回しを変えただけですぐに実家の片づけがはかどるかはわかりません。
しかし、こういったことの積み重ねが今後の交渉のプラスになることを覚えておきましょう。
3,親の意識を変化させる
実際にきれいになる過程を見てもらうのもよいきっかけになります。
例えば、あなたの部屋(子供部屋)がまだあるなら、その部屋をきれいにしてみてはいかがでしょうか?自分の部屋ならある程度片づけても文句は言われないはずです。
これまで物置代わりになっていた部屋がきれいになっていく様や、息子・娘が部屋をきれいにしている様を見てもらうことで、親の意識も変化してくることがあります。
実例をあげますと、お母様と娘さんの二人暮らしの現場で、お母様は「私は物がない時代を生きてきたから物を捨てたくない」「もったいない」とかたくなに物を捨てない方でした。そのせいで家はゴミ屋敷に。
しかし、娘さんからの依頼で弊社と一緒に片づけていると、2日目には「きれいになっていくのが気持ちいい」「私も頑張らないといけないと思った」と、片付けに対する意識が変わってきたのでした。
実際の作業事例 → 統合失調症で片付けができないです
最後のほうは自ら進んで使ってないものを捨ててくれるようになったのです。こういうことって片付けの現場ではよくあります。まずは自分の部屋や廊下など、親御さんの反対意見が出にくい場所をきれいにしてみることをおすすめします。
※片付けをするときは一言断って始めてくださいね。
4,あなたの考え方を改める
あなたの考え方を少し変えてみるのもよい方法です。
弊社にご相談をいただく方は、その方なりの理想があります。例えば、「廊下がものにあふれているのでスッキリさせたい」「母親の部屋が物置代わりになっているので使ってないものを捨ててもらいたい」「この際一気に片付けてもらいたい」などです。
たしかにそうなれば実家もスッキリして気持ちの良いものに変わるかもしれません。でもそれって、あなたの理想であっても、親御さんの理想ではないかもしれませんよね。
ある現場では、息子さんに実家を片付けてほしいと依頼され、息子さんと親御さんと一緒に片付けを行っていました。しかし息子さんと親御さんとの間に、片付けに対する大きな考え方の違いがあったのです。
息子さんは「ここまでしないと意味がない」と考えてありましたが、親御さんは「私にはまだ必要」「そんなこと聞いてなかった」と意見の食い違いが出ていたのです。最終的には息子さんの意見に押された形でスッキリと片付けができましたが、親御さんは不満を抱えた片付けになってしまったのです。
こうなっては今後の片づけはかなり厳しくなります。片付けに対して「捨てられる」という不信感を持ってしまわれたからです。
そうならないよう、理想の形にならなくてもOKと考え方を改めてみはいかがでしょうか?
- 一つでも捨ててくれたらOK
- 少しやる気を出してくれただけでOK
- 話し合いができただけでもOK
このように考えるとよいでしょう。考えてみてください。これまで何一つ進まなかった実家の片づけが少し前進したのです。十分成功ではないでしょうか? あとは時間をかけて実家の片づけを進めていけばよいのです。
一見、遠回りになりそうですが、この考え方こそが実家の片づけを最短で成功させる考え方なのです。
5、普段から良好な関係を築いておく
最後にとっておきの実家の片づけを成功させるコツをお伝えしておきます。それは「普段から親孝行をしておく」ことです。
- たまに帰ってきた時に「実家が汚い」「いらないものを捨てて!」という息子・娘
- 普段から顔を見せ、一緒に食事したり、家のお手伝いをしてくれる息子・娘
あなたならどちらのお願いを聞いてあげたいですか? もちろん後者ですよね。
人間というのは「恩返ししたい生き物」なのです。例えばスーパーで試食コーナーがあります。試食させてもらうと、「ただでもらったんだから買わないと悪いな」とつい思ってしまいませんか? これは「返報性の法則」と言って、受けた恩に対して恩で返したいという心理の表れなのです。
顔を見せる、ちょっとしたお手伝いをする程度のことでも親はうれしいものです。こういった小さな親孝行を積み重ね、良好な関係を築いておくことが実家の片づけを成功させるカギとなります。
ここで注意していただきたいのが、その親孝行が押しつけがましくならないことです。「ここまでやってあげたんだから私のお願いは聞いてくれるはず」という思いは捨てましょう。(正直なところ思ってしまうと思いますが・・・)
こういった思いは相手に伝わります。そのせいで良好な関係にひびが入ることは避けたいですよね。見返りを求めず、まずは親御さんとの信頼関係を深めることを目指してください。
まとめ
このページでは、片付けのテクニックではなく、実家の片づけを成功させる考え方について解説してきました。
ここまで読んでいただいてわかるように、実家の片づけというのは時間がかかるものなのです。実際に相談からご依頼まで半年以上かかった方もいらっしゃいました。
その方は弊社からのアドバイス通り、毎週のように顔を見せ、信頼関係を構築し、「お母さんが心配であること」を丁寧に説明し、私も手伝うから一緒に片づけようと時間をかけて話し合ったそうです。
大変な道のりであったかもしれませんが、半年でずっと悩みの種であった実家の片づけが1日で終わったのでした。これは大成功ですよね。
実家の片づけは時間がかかります。このことを念頭に、じっくりと進めてみてください。
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