捨てるのが苦手?その悩み、解決できます
投稿日:2021年7月26日 | 最終更新日:2021年7月31日
片付けが苦手な方は多いです。その中でも、
- 捨てることが苦手
- 捨てることに罪悪感がある
- もったいないので捨てられない
など捨てることが特に苦手な方は珍しくありません。そのためものがどんどんと増えていき、ゴミ屋敷化してしまうのです。
では、なぜ捨てることに苦痛を感じる人が多いのか? 捨てられるようになるにはどうすればいいのか? ここではこのような悩みを解決していきます。
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捨てることはなぜ苦痛なのか?
まずはなぜ捨てることが苦痛なのかについて解説していきましょう。これは非常に簡単な話で、人は一度手に入れたものに高い価値を感じ、手放すことに抵抗を感じてしまうためです。これを心理学では「保有効果」や「授かり効果」と言います。
保有効果の実例を紹介しましょう。例えば、リサイクルショップにこれまで使っていたバッグを売りに行ったとします。たいていの場合、思っていたよりも安い金額になりがっかりされたことがあるのではないでしょうか? これは保有効果により、市場価値よりも高い価値を感じてしまっていたことが原因です。
こんな実験結果もあります。ある大学で「大学のロゴ入りマグカップ」をAグループの学生に与えたうえで、「このマグカップをいくらなら売るか?」という質問をしてみました。
そしてBグループの学生には「このマグカップをいくらなら買うか?」という質問をしてみると、Aグループの平均は「7.12ドルで売る」というものでした。反対にBグループの回答は「2.87ドルなら買う」という結果になったのです。
ただでもらったものなので1ドルで売ったって儲けがでるにもかかわらず、一度手に入れたマグカップに高い価値を感じてしまったわかりやすい事例です。
人は一度手に入れたものに対する価値を高く感じてしまう生き物なのです。捨てることが苦手、手放すことが怖いと感じてしまうのは、この保有効果が原因であると言えます。
ここに「思い出」や「義理」が絡んでくると捨てることはさらに難しくなってしまうのです。このような事実から、捨てることがどれだけ難しいことなのかがわかっていただけると思います。
捨てることが苦手な方は多いです。ただ、これは当たり前のことなので気にする必要はありません。物を捨てようとするとき、苦痛や迷いが出ることは当然だと思ってください。
しかし、全てを残すことはできません。
それでは、保有効果を踏まえた上で、どうすれば捨てることができるようになるのでしょうか?
迷いを消し、効率よく捨てるためには
片付けをしようと決意したにもかかわらず、迷ってしまって捨てられなかったという経験は誰にでもあると思います。では、なぜ迷ってしまうのでしょうか?
迷いというのは、選択肢が多すぎることが原因で起きる心理現象です。例えば、焼き立てのパン屋さんを想像してみてください。カリカリのクロワッサン、ピリ辛のめんたいフランス、ふわふわのクリームパン、色とりどりのサンドイッチ。なん十種類ものおいしそうなパンがずらりと並んでいます。
選ぶ楽しさがあるものの、私はパンを選ぶのが苦手です。あれも食べたい、これも食べたいと迷ってしまい、非常に時間がかかってしまうのです。さらに「ほかのパンのほうがおいしかったのではないか」と感じてしまうこともあります。
人は選択肢が多すぎると選ぶことに苦痛を感じます。また、「別の選択肢を選ばなかったことに対する後悔」も感じてしまうため、余計にストレスを感じてしまいます。
あなたも経験があるのではないでしょうか。選択肢が多いがために迷い、苦痛を感じてしまうのです。これが自分の持ち物ならなおさらです。
- 捨てる
- 残す
- ほかのことに使う
- いつか使う
- 誰かにあげる
- とりあえず置いておく
などなど、自分の所有物ならどんな選択肢でも選べるため余計に迷ってしまします。捨てることが難しいと感じてしまうのはこのためです。さらに保有効果で価値が高まっているためさらに難易度は上がります。
それでは、これらのことを踏まえた上で、どのように考えれば所有物を手放すことができるでしょうか。その方法として、「判断基準を少なくする」ことが有効になってきます。つまり、選択肢を絞るのです。
私がおすすめするのが次の3つに絞る方法です。
- 大好きか
- 絶対必要か
- よく使うか
このように考えると、判断基準が3つしかないため迷うことがありません。
- 大好きなものだけ残す
- 絶対に必要と感じるものだけ残す
- 日常的に使うものだけ残す
このように考えると良いです。なんとなく取捨選択するから迷いが出てしまうのです。このように明確な基準を設けることで、自分にとって本当に価値あるものが自然と残ります。
実際の例として、弊社スタッフと一緒に断捨離をしていくサービスをご利用いただいたかがいらっしゃいます。もともと捨てるのが苦手なので、一緒に片づけてほしいというご依頼でした。この方は非常に迷いつつも、思い切ってバッグを捨てられたのですが、作業が終わるころには捨てたことを忘れてしまっているのです。
結局のところ、その方にとってそのバッグは重要なものではなかったのです。
他にも同じように迷いながら捨てるお客様も多いですが、「あの時捨てなければ良かった」という後悔の声をこれまで一度も聞いたことがありません。むしろ感謝の言葉までいただきます。
このような経験ができたなら、本当に重要なものはほんの一握りしかないことに気づくはずです。乱暴な言い方になりますが、私を含め、あなたが所有しているものの9割はガラクタであると言い換えることができます。残り1割の重要なものに気づくことができれば、「捨てる」はとても簡単になります。
それともう一つ重要なことがります。それが「いつか使うかも」という勘違いをしている人が多いことです。しかし、その「いつか」は永遠に訪れないことに気づかなければいけません。
まとめ
これまで説明してきたように、自分の所有物を捨てることは難しいことです。しかし、いつかは手放さなくてはならないときがやってきます。
このときに効果的な方法が、捨てる判断基準を絞ることです。選択肢を限定することで、迷わず捨てることができるようになります。その中で、自分にとって本当に重要なものを取捨選択するようにしてください。