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もったいないを勘違いしている人多すぎ問題

「もったいない」、この言葉を知らない人いないと思います。もともと仏教用語で使われていた言葉ですが、現代では「価値あるものが粗末に扱われる様」をあらわした言葉として使われています。

 

しかし、このもったいないを勘違いしている人は多いようです。ここでは、この「もったいない」について、どのような間違いをしてしまっているかを解説していきます。

 

「使うもの」と「使えるもの」はまったくの別物である

これは、私が実際に片付けの現場でよく遭遇する実例です。次のような方はとても多いです。

 

あるとき、40代の女性から実家の片付けに関して次のようなご相談を受けました。

 

「実家の片づけをお願いしたいのですが、ものが多すぎるので一緒にやっていただけますか?」このようなご相談内容でした。

 

お見積りを行い正式にご依頼となりました。このときお話を伺いましたが、お父様は何年も前に亡くなられていて、現在はお母様と2人暮らしだそうです。築40年ほど経過しており、「思い出がたくさん詰まった我が家である」と話してくださいました。

 

作業を開始し、一部屋一部屋片づけをしていきます。そこで気がついたのですが、亡くなったお父様は社会的にとても高い地位のお仕事をされていたようで、お中元やお歳暮などの贈答品が押入れから大量に出てきました。

 

使い切れないほどのタオル、マット、洗剤、石鹸など新品の状態できれいに保管してあります。ただ、きれいに保管はしてはあるものの、それらは5年以上使われずに押入れにしまわれていたものです。中には10年以上前の品も保管してありました。

 

片づけを依頼された立場から、「使っていないものなら処分しましょうか?」と提案したところ、聞きなれた答えがかえってきます。

 

「まだ使えるから置いておきます」

 

今度は依頼主様ご自身の部屋を片付けます。クローゼットには現在来ている服のほかに、以前着られていたと思われる服やバッグがところ狭しと並んでいます。せっかくの片付けをする機会なので、再度次のようなご提案をしてみます。

 

「着ていないものがあれば、リサイクルに出してみてはいかがですか? 少しでも減らした方が収納が楽なりますよ」

 

しかし返ってきた答えは、「まだ着られるので捨てるのはもったいないです。残しておきます」

 

……、あなたはどのように感じたでしょうか。この方はモノを大切にしていると感じたでしょうか? もしそう感じたのであれば、それは間違った思い込みであると断言できます

 

この方が以前着ていた古い服を着ることは今後ないでしょう。大量のタオルやマットが使われることもまずありません。なぜなら、すでに必要な数量が揃っているからです。

 

モノを大切にするということは、きれいに保管することではありません。そのモノの用途に合った正しい使い方をし、最後まで使ってあげることです。

 

  • タオルであればボロボロになるまで使う
  • 家電品であれば壊れるまで使う
  • 着なくなった服は感謝の気持ちで捨てる、雑巾代わりにする

 

今後使う予定はないけれど、使えるから保管しておくというのは、部屋のなかに物を捨てていることと同じことだと思います。どれだけ高価なものでも、ただそこにあるだけでは価値があるとはいえません。道具達は使われて初めて価値が出るのです。

 

そもそも、「使えるもの」という基準で判断してしまうと、家にあるもの全て使うことができます。使おうと思えばどのようなものでも使えるため、捨てることができません。だから片付きません。

 

「まだ使えるのにもったいない」「ものを粗末にしたくない」など様々な言葉を聞きますが、もったいないの本質を間違わないようにしてください。

 

使わないものを譲ってはいけない理由

使わなくなった物を知人に譲るために保管している方も多いです。その中で、次のような言葉をよく耳にします。

 

「もったいないから子供達にあげようと思っています」

 

「この服は友達にあげようと思って残していました」

 

このようなこと耳にしますが、実際のところ譲ることなく収納スペースを圧迫しているケースが多いです。

 

このように、自分が使わないものを第3者に譲るという考え方は、一見モノを大切にしているように見えます。しかし、実際は違います。これらの言葉の裏側には、「責任転嫁」の気持ちが少なからずあるからです。

 

「自分で捨てるのは罪悪感があるから、誰かにもらってもらおう」と、無意識のうちに考えていることが多いです。このように考えていてはいつまでたっても片付きません。

 

このとき考えなくてはならないことは、少々きつい言葉になってしまいますが、「あなたにとって価値があるものでも、他人からみるとガラクタである」ということを理解することです。

 

あなたにも経験はないでしょうか。もらったはいいけれど、全く使っていないモノがあなたの部屋にもありませんか? 良かれと思ったことでも、時には迷惑になることがあるということを理解しなければなりません。

 

実際に私が業務中に依頼主様からよくいただく言葉があります。それは、次のようなものです。

 

「この灰皿、よかったらもらっていただけませんか?」

 

「お酒は飲みますか?捨てるのがもったいないから、差し上げましょうか?」

 

「お子さんはいらっしゃいますか? この子供服、まだ十分着られるので差し上げましょうか?」

 

このようにおっしゃっていただきますが、正直なところとても困ります。必要なものはすでに揃っているためお断りするのですがとても心苦しいです。

 

これから家を整理しようと決心したのであれば、あなたの責任であなたが処分してあげてください。「ペットを飼うなら最後まで……」という言葉もあるように、あなたが最後まで責任を持つことが大切です。

 

もちろん、「欲しい」と言われたのであればこの限りではありません。そのときは快く譲ってあげてください。言い換えると、「欲しい」と言われない限り譲ってはいけないのです。

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